どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

当選×3!

ありがたいことに、面接授業は3つ申し込んで3つとも当選しました!
当選数が分かるようになった日、パソコンの前で「えっホントに?!」って独り言で叫ぶくらいびっくりしました。

第1希望にした科目はテーマが面白そうだし、定員も20名程度だったので落選すると思っていました。けど、時期が1月でお正月後&試験前なので倍率が下がったのでしょうか。
第2、第3希望は定員50~80名程度なのでまあ大丈夫だろうと思っていました。

nanacoカードに必要な金額もチャージしたので、いつ振り込め用紙が来てもすぐ支払いに行けます!

2学期の科目登録申請

8月は何にも勉強しないまま過ぎていきました。試験問題の解き直しを1日やっただけです。1学期は2月のスタートダッシュから7月末の試験まで、ほぼ毎日勉強できていたのに、人ってすぐに怠けられるんだなぁと妙に実感しています…。

 

さて、科目登録申請は今夜締め切り(Web)ですが、私は先週末に入力を済ませました。

「放送授業6科目、面接授業3科目」です。
2学期は初めて外国語を履修します。あと、6科目中4科目が持込不可だと思われるのでじっくりやる必要がありそうです。

面接授業はこんな組み合わせで出しました。
第1希望:他都道府県のセンターの、定員が少なめの科目
第2希望:地元学習センターの、定員が中程度の科目
第3希望:地元学習センターの、定員が多めの科目

人気がありそうだから落選すると思うけど、気になる科目を第1希望に。
開催日程が10月なので追加登録が無いかもしれない科目を第2希望に。
一番受講したいけど、定員に余裕がある科目を第3希望に …としました。

 

先取りで入手した2学期の印刷教材、ずーっと鞄に入れて持ち歩いているのに結局読んでいません。この辺で気持ちを切り替えて、9月からはちょっとずつ学習を始めたいと思います。

【感想】文学のエコロジー('13)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。


文学のエコロジー('13)
総合科目 択一式 持ち込み可

放送授業の第1回が「講談師(一龍齋貞心氏)にロランの歌を読んでいただく」という変わった内容ですごく面白かったのでぐっと引き込まれ、2回目以降も聴くのが楽しみになった。なお第2回以降の様々な朗読は、AMラジオかと思うような堅い口調の方々です(これはこれで、古い外国文学らしい良い雰囲気ですよ!)。

ラジオなのに目の前で講義をしているかのようにこちらへ語りかけてくる担当の宮下志郎先生の口調が妙に癖になるし、印刷教材もこういったテキスト類としてはかなりくだけた文章で書かれていて大変読みやすく感じる。個人的には、機会があったらぜひ面接授業で講義を直接受講してみたい先生のひとりです。どんな方なんだろう宮下先生…。
余談だが、学習センターへ行った際に、宮下先生が担当されている別の科目「ヨーロッパ文学の読み方-古典編」の印刷教材を読んでみたらこちらもとっても読みやすくて面白かったです。

題材として取り上げられているのは主にヨーロッパと中国の文学作品。作品が作者によって生み出されるのにどんな背景があったのか、私たちがいまその文庫本を手にとって読むまでに、どんなふうに流通し伝えられてきたのか。また印刷や出版、著作権や印税の歴史なども知ることが出来る。印刷技術が登場発展したことが作者や出版にとってどれだけ便利で素晴らしい恩恵をもたらしたのかを強く強く感じる。

文学と史学をミックスしたような科目なので、どっちか(もちろん両方)が好きな人にはオススメ。ひととおりの学習を終えてしばらくしてから試験対策で再びこの科目に取り組んだときに、しみじみと面白いなぁと感じました。
ただし、著名な作家は大抵愛人と借金を抱えているのね(もちろんそうじゃない人も居ますが!)と、知らなくても良いことを知ってしまうことにもなる科目です。

【感想】死生学入門('14)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

死生学入門('14)
総合科目 択一式 持ち込み不可

死を迎える本人の気持ちや、取り巻く家族たちの想いや実情、報道される有名人などの死、映画やマンガに取り上げられる死など、人が生きて老いて死ぬ…という事に、様々な視点から着目し考える。近代化して便利になったこの時代でも、介護や延命や尊厳など死にまつわる事柄は絶えず起こり変化していて、間違いなく自分の親世代や、自分自身にも訪れることになることを実感し、考えさせられる科目。

第2回の放送内でインタビューに答えている平山正実先生が「亡くなった母親が遺したものは私へのギフト」のようなお話をされるのだが、平山先生ご自身が(放送授業収録後に)逝去されており、受講者はまさにこのインタビューから「ギフト」を受け取るという体験をすることになる。
私が受講している期間内には、闘病ブログを公開していた有名人が死去されるというできごとがあり、そのニュースを沢山の視聴者が大きな出来事として受け止め、更にニュースになったりもした。そういったこともこの科目について考えるきっかけになったと思う。

放送授業は基本的には印刷教材に沿って進み、時々補足が入る感じ。上記のようなゲストのインタビューや、授業のテーマに似た内容のマンガや映画について言及があったり、途中「楢山節考」の素晴らしい朗読が聴ける回など、魅力的な内容も盛り込まれているし、担当の先生方(複数いらっしゃるが、どの方も)皆さんとても穏やかな口調でじっくりと諭すように語りかけてくるので、授業なんだけどセラピーを受けているような感覚になれる。
ジングルとしてサイモン&ガーファンクルの曲が使われる回があったり、放送授業の尺が余ると(いや意図的にかもしれないけれど)「千の風になって」が流れる

様々な学問の側面を併せ持った、まさに総合科目だなという印象を受ける。上手く表現できないが「勉強する!試験受ける!」という感覚からは少し離れた場所に位置するような、じっくりじんわりと進められる良い科目だと思う。

【感想】 博物館資料論('12)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

博物館資料論('12)
人間と文化コース専門科目 択一式 持ち込み可

博物館に展示・所蔵されている様々なものについて学ぶ。佐々木利和先生の語り口も朗らかで優しく、癒されるような科目。
佐々木先生が各地の博物館を訪ね、各館の学芸員さんにお話を伺いながら様々な作品を紹介・考察する放送授業。作品そのものだけでなく、修復作業や運搬の様子、展示ケースについてなども知ることができる。

歴史的な地図を結構大胆に修復している(もちろんちゃんと完成する)ことに驚いたり、「よくある、女性をモデルにした絵画」が、解説を聞くと本当に「風呂上がりにアイスクリームを食べる女性」にしか見えなくなってくるし、「日本最古の写真」など貴重で興味深いものも拝見できる、とても楽しい放送授業だった。

奈良国立博物館で使用されている展示ケースについて学ぶ回があるが、映像はおそらく2010年の正倉院展だと思う(映っているのが、2010年に展示された有名な琵琶ではないか)。私は2011年の正倉院展を現地に鑑賞しに行っているので、まさに授業で紹介された高機能な展示ケースを見ているはず。授業に登場するモノを自分が実際に見たことがある!というのがちょっと嬉しい。

いま博物館で鑑賞できる作品は、長い年月のあいだ、歴代のスタッフの尽力により丁寧に保管・修復・展示され、戦火を免れたりもしているということになると気付かされる科目。
あと、北大のエゾオオカミはかなりの頻度で試験に出てるっぽいので押さえておいて損はないと思う!

【感想】上田秋成の文学('16)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

上田秋成の文学('16)
人間と文化コース専門科目 択一式 持ち込み可

白状すると「上田秋成」をこれまで知らなかった。でも「雨月物語」ならタイトルを聞いたことがあり、図書館から借りて読んだら面白かったので「コレを書いた方についての科目ということなら大丈夫だやってみよう!」と思い履修に踏み切った。「夢応の鯉魚」のファンタジックさと爽快感が好きです。

庶民が読むような身近な作品を手がけた方なので私にも理解しやすく、たいへん魅力的に紹介されていたと思う。「夏月」の和歌は水と魚と月がキラキラ光って涼し気なのが感じられるし、「見ても居ないし体験しても居ない、1ヶ月後の行事について想像で書いた文章」のエピソードが面白かったしとても素敵。

きっと凡人では突出した芸術家にはなれないのだろうけれど、この授業を通じて知る上田秋成は「かなり偏屈で周囲から煙たがられていた」か、もしくは関西の方なので「おもろい(変人の意味で)奴がおもろい文章書いてる」的な人だったのではなかろうか…だけど生涯を通じて人脈に恵まれていたらしいので、人間的な魅力があった人なのだろう。

第14回で、秋成が偶然に祭りの会場で渡辺源太(30年前に起きたセンセーショナルな事件の当事者)に会ったことで、その事件を小説化する(2回も)という話題が出てくる。現代で言えば福田和子が何度もドラマ化される様な感じだろうか…。もし私が渡辺源太やその家族の立場だったら「30年前の事件を今更話題にするなんてもうやめてー放っておいてー」と思うんじゃないかなと想像してしまう(笑)。※渡辺源太やその家族は信念を持って事件を起こしたようなのでそんな風には考えないのかも。

担当の長島弘明先生は冷静ながらも熱心な語りで、上田秋成やその作品が大好きでいらっしゃるのだろうなというのがひしひしと伝わってくる。ラジオながらも大変聞きやすく楽しい放送授業だった。ジングルとして流れる尺八の調べが渋い。

ひとりの人物だけに焦点を当てた科目は珍しいのかも知れないけれど、他の作家や他の分野(作曲家や研究者など)のこういう科目があったら楽しそう!と思う。

【感想】日本文学の名作を読む('17)

 ※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

日本文学の名作を読む('17)
人間と文化コース専門科目 択一式 持ち込み可

今学期からの新設科目。「日本の物語文学('13)」の後継科目にあたると思われるが内容はかなり異なっており、履修制限もかかっていない。
過去問が無いのは心配だったが、日本文学はこれまでにも触れたことがある分野なのでなんとかなるだろうと思い履修した。島内裕子先生の科目は既に3つ目。聞き慣れたお声が聞こえてくるとなんだか落ち着くようになってきた(笑)。

読んだことがあるもの、タイトル/作者だけなら知っているもの、この授業で初めて知るものまで様々な作品が取り上げられていたが、作品も魅力的だし教材も読みやすい。中盤を担当されている佐藤至子先生の語り口は穏やかで癒されるようだったし、題材となっている江戸時代の物語はこれまでに親しんだことがない分野だったのでとても興味深かった。

第1回で「名作といっても、読む機会が無かったり、読み始めてもなじめず読むのを止めることもありますがそれでいいのです、時間を経て改めて読もうと手に取るときがあるでしょう」といった、とても素敵なお話があった。私は実際に「源氏物語は日本を代表する作品なのに、これまで読んだことがなかったけど、放送大学で勉強し始めたことがきっかけで読んだ」という体験をしているので、大きくうなずける。

その効果として、この科目の第3、4回(源氏物語がテーマ)が本当に面白く、読書で読んだ物語を島内景二先生が説明されるとすごく立体的・色彩的に迫ってくるような感覚があった(柏木の手紙が薫に渡るところなどは、先生の解説が加わるとサスペンスのよう!)し、他の作品でも源氏物語の影響を受けているとされるエピソードが出てくる度に、あの場面のことだなと想像できるようになり、覚えやすさに繋がった。

しかしそのドラマティックさは時折妙な表現となって登場する。印刷教材に「鴨長明は時間を操る」って書いてあるのを読んだときには「えっ」て思って集中力がふいに切れてしまった。※作品の後半で時代を遡るということの例えなんだけど、ホントに書いてあります。