どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

【感想】死生学入門('14)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

死生学入門('14)
総合科目 択一式 持ち込み不可

死を迎える本人の気持ちや、取り巻く家族たちの想いや実情、報道される有名人などの死、映画やマンガに取り上げられる死など、人が生きて老いて死ぬ…という事に、様々な視点から着目し考える。近代化して便利になったこの時代でも、介護や延命や尊厳など死にまつわる事柄は絶えず起こり変化していて、間違いなく自分の親世代や、自分自身にも訪れることになることを実感し、考えさせられる科目。

第2回の放送内でインタビューに答えている平山正実先生が「亡くなった母親が遺したものは私へのギフト」のようなお話をされるのだが、平山先生ご自身が(放送授業収録後に)逝去されており、受講者はまさにこのインタビューから「ギフト」を受け取るという体験をすることになる。
私が受講している期間内には、闘病ブログを公開していた有名人が死去されるというできごとがあり、そのニュースを沢山の視聴者が大きな出来事として受け止め、更にニュースになったりもした。そういったこともこの科目について考えるきっかけになったと思う。

放送授業は基本的には印刷教材に沿って進み、時々補足が入る感じ。上記のようなゲストのインタビューや、授業のテーマに似た内容のマンガや映画について言及があったり、途中「楢山節考」の素晴らしい朗読が聴ける回など、魅力的な内容も盛り込まれているし、担当の先生方(複数いらっしゃるが、どの方も)皆さんとても穏やかな口調でじっくりと諭すように語りかけてくるので、授業なんだけどセラピーを受けているような感覚になれる。
ジングルとしてサイモン&ガーファンクルの曲が使われる回があったり、放送授業の尺が余ると(いや意図的にかもしれないけれど)「千の風になって」が流れる

様々な学問の側面を併せ持った、まさに総合科目だなという印象を受ける。上手く表現できないが「勉強する!試験受ける!」という感覚からは少し離れた場所に位置するような、じっくりじんわりと進められる良い科目だと思う。