どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

【感想】西洋芸術の歴史と理論('16)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度1学期時点でのことです。

 

西洋芸術の歴史と理論('16)
人間と文化コース専門科目 択一式 持ち込み不可

内容は哲学や史学に近いと思う。個人的には昨年度に「哲学への誘い」を履修しておいたことがかなりプラスになった。
華やかな芸術作品は歴史や思想や真実を内包し、美と共に問題を提起しながら人々に鑑賞され、後世へ伝わって行く…といったことを、様々な作品を映像で鑑賞しながら考察する。時には戦争や金銭といった人間の都合で貴重な作品が失われることもあり得ると気付かされる。

世界の様々な芸術作品が紹介される放送授業はたいへん見応えがあって楽しく、青山昌文先生の熱心なお話に引き込まれる。大きな画面で見た方が良いかもと思ってTV放送を録画しておいたが、一時停止しながらじゃないとついていけなかったので、結局マウスですぐに停止や巻き戻しができるパソコンで視聴した。H29年4月から配信方法が変わったことで最も恩恵があった科目の一つだと思う(以前の配信だとちょっと巻き戻すだけでも再読み込みが長かったので…)。

私にとっては、序盤は不明瞭ながらもとりあえず勉強していた内容が、ロマネスクとゴシックの違いのあたりでパズルがはまったような快感が訪れ、以降は面白くってドーパミンがどばどば出てるみたいな興奮が味わえる「何気なく見てた芸術作品について、新たな知識を得るってたーのしーい!!」という科目。第1回から改めて読み直したら、最初に学習したときのぼんやりした印象がウソのようにすっきりと理解できた。2巡目の爽快感、楽しさ、理解度が尋常じゃなかったです。すっごく面白かった!

読んで予習し、熱量溢れる放送授業を視聴、それが冷めないうちにノートを作る…と、毎回が真剣勝負。更に持込不可&過去問の正答は非公表なので直前まで勉強していたこともあり、今学期はこの科目に一番時間を割いたと思う。難しく大変だったけれどすばらしい充実感が残った。

なお、授業内容以外にも気になる事柄がてんこ盛りの科目。
初回はいきなり講義が始まり、印刷教材の1ページ目とは違う内容の映像が流れ、えっ教材を間違えたかな?と慌てるが間違ってない。映像の中の青山先生が急にお歳を召されたり若返ったりする。ミーメーシス。訪れる詩人の自宅はまるでジブリの世界。どんなに鳥が鳴いても気にしない(私は気になる)。先生のネクタイの柄がかわいい。先生の情熱が溢れ過ぎててさっきと同じ内容のことを表現を変えてまたお話される。やはりミーメーシス。 エロティックというか性的な内容について言及する際には上品で間接的な表現を選んでお話しされるのが絶妙に上手い。先生は伝えたいことがたくさんある上に早口だし滑舌が良いとは言い難いので1.5倍速だと聞き取れないことも。ワイシャツの下から透けるラガーシャツが気になる。試験は2択で正答は非公表。重要すぎてもうミーメーシスが夢に出そう…などなど(愛ある)ツッコミが追いつかない。

スリリングで最高に面白くて、今期最も印象的な科目でした。ただしハッキリとした式や答えが存在する科目とは真逆で「この講義でどう主張・説明されているか」に寄り添うことが大事なように思うので、理解を誤ったり集中力が途切れると試験で正解できない…という気がする。

先生が担当される別の科目「舞台芸術の魅力」もタイミングさえ合えば履修したいです。オペラや演劇について青山先生が熱く語るってもう楽しみでしかない。青山先生のファンになりました!