どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

春休みの読書「源氏物語」

「和歌文学の世界」を履修した際に「源氏物語はその後の日本文学に大きな影響を与えた」というのが何度も出て来ました。更に「源氏物語を読んだことがない歌人なんてダメなやつだ」という意味の有名な言葉を残した人が居たり、「過去の和歌を引用して歌を詠むことを『本歌取り』と呼ぶが、特に源氏物語から引用した場合は『源氏取り』と呼ぶ」のように、何かと源氏物語は重要視・特別視されているようです。

…そんな色々なエピソードを読みながら「私、源氏物語を読んだことがないじゃん!」と気が付きました。今後文学関連の科目を履修する予定もあることだし、地域の図書館から借りて、新学期が始まる前に読むことにしました。

 といっても、さすがに原文・全文にチャレンジするのはハードルが高いので、現代語訳のダイジェスト版みたいなやつ(あらすじ部分と重要な部分が交互に出てきて、時々原文が並んで載っている)にしました。更に登場人物が多いし相互関係もややこしいので、挿絵がたくさん入った子供向けの源氏物語も併せて借りました。

読書としての率直な感想は「どうしよう、登場人物のほとんどに共感できない」です(笑)。平安時代の高貴な人が好き放題する(光源氏はそう思ってないかもだけど私には好き放題に見える…)物語を現代人の私が読むのでそういう感想になってしまうんですが、光源氏は節操ないし、女性たちもハッキリしないし、光源氏の後だと薫の消極的っぷりに拍子抜けする。もちろん「権力がある人は複数人の側室が居る」「この時代の女性は控えめ」なのがあたりまえなんだけど。

けど、薫に拍子抜けしたってことは、やっぱり光源氏が良くも悪くも目立って魅力的なんだと思います。女性が憧れる最高の男と、関わりたくない最低の男との、全ての要素が詰め込まれた人が光源氏
なんてことを考えていたら、現在学習中の「日本文学概論」で「光源氏を創り出した紫式部から見れば、藤原公任(当代最高峰の文人)も、大した男じゃなかった」みたいなエピソードが出てきて妙に納得しました(笑)。

それ以外にも「日本文学概論」では、何度も「源氏物語の○○を引用している/影響を受けている」といった記述が出てきます。それで「ふーん引用なんだ」よりは「あの場面のことね!」って具体的に思い出せる方がもちろん理解しやすいし覚えやすい。今後の勉強をしていくにあたっては間違いなく読んで良かったです。

…なお「枕草子」も相当「その後の日本文学に大きな影響を与えて」いるっぽいです。中学の教科書に載っていた有名な一部分しか読んだことがないけど、これを機会に読むべきか?!補助的な読書などは新学期が始まる前の2~3月にやって、4月からはがっつり印刷教材で勉強と思っていたので悩ましいところです。