どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

【感想】和歌文学の世界('14)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した平成28年度2学期時点でのことです。

 

和歌文学の世界('14)
人間と文化コース専門科目 択一式 持ち込み可

テキストが読み物として面白いので、テレビ放送を見たときに「これ書いてあったなー」と思い出しやすい。渡部泰明先生が朗々と和歌を読み上げて紹介するのがとても楽しそうで、あぁ本当にこの学問が好きでいらっしゃるのだなぁと感じる。「古き善き日本・雅やか・風流」のような雰囲気に浸って学習を進めていたら、中盤で登場する「九相図」の回が思いの外ヘビーでおののく(笑)。終盤は近代化や戦争に影響を受けた近年の歌人たちの哲学的な内面も知ることができる。
放送授業は、テキストに沿っての解説のほか、貴重な書物の実物を紹介したり、教授が和歌にゆかりのある土地へ出かけていって歌碑や風景を紹介するコーナーもあって親しみやすい。スタジオの間接照明の雰囲気や、「本日の授業の柱」を紹介するところの音楽が妙にムーディ。島内裕子先生のお洋服やお帽子がオシャレ。
最終回で塚本邦雄氏(近代歌人)と島内先生ご夫妻が一緒に写った写真が紹介された。全15回にわたって勉強してきたこの科目の最後で、テキストに載っている歌人と、いま講義されている先生とが繋がり、私がそれを視聴しているのだなぁと思うとなんだか感激した。
私にとってはとても楽しく履修できた、印象深い科目となりました。

個人的に好きで印象に残ったのは以下の歌。
 とどめおきて誰をあはれと思ふらん子はまさるらん子はまさりけり(和泉式部
 桐に藤いづれむらさきふかければきみに逢ふ日の狩衣は白(塚本邦夫)
 春の夜の夢の浮橋とだえして峯にわかるる横雲の空(藤原定家
 傷軽きを頼られてこころ慄ふのみ松山燃ゆ山里燃ゆ浦上天主堂燃ゆ(竹山広)

この科目を履修したことで、自分が源氏物語を読んだことが無かったことに気付いた。今後、文学関連の他の科目を履修したら絶対に源氏物語が再登場すると思われるので、近々読みたい。
試験は「正しいものを選べ」が続いていたと思ったら「誤っているものを選べ」に突然変わるので注意だ!