どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

【感想】舞台芸術の魅力('17)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2018年度1学期時点でのことです。

 

舞台芸術の魅力('17)
人間と文化コース 専門科目 択一式 持ち込み不可

青山先生、お久しぶりです!

2017年度1学期に「西洋芸術の歴史と理論」を履修したら最高に面白くて、すっかり青山昌文先生のファンになったので、本科目も絶対に履修するぞと試験が土日になるのを待ち構えていた(笑)。そして今回もやっぱり青山先生のネクタイは個性的!

青山先生の膨大な海外ロケ映像はもちろん、バレエ、モダンダンス、歌舞伎、人形浄るり、演劇など各方面の専門家の先生も担当講師として登場、様々なジャンルで活躍されている芸術家へのインタビューや、有名公演の映像や写真などがこれでもかこれでもかと紹介されるすっっごい贅沢な放送授業。
と思ったら、中盤の授業で青山先生が実に悔しそうに「本当はもっと公演の映像を取り上げたいのだが、著作権の問題や放送大学の予算の都合上、写真しか出せないものも多い」みたいなことを仰っていた。確かに、様々な芸術にジャンルごとに触れつつ現状まで考察するというのが大まかな流れなので、近代の公演(現在も上演中だとか、著作権が切れていない)を取り上げるのは色々と制約があるのだと思われる。オペラや演劇の映像などはもっと沢山見てみたかった。

演劇に関する回がとても面白かった。私は学生時代に演劇部だったのだが、部活くらいだと(学校の方針などにもよるとは思うが)演劇史まで学ぶことはしないので、私の学生時代に演劇雑誌に載っていたようないわゆる憧れの演出家や劇団は、どのような演劇史の潮流の中で登場して活躍されていたのかをこの授業の機会に知ることができた。蜷川幸雄氏(演出家・故人)のインタビューが結構なボリュームで取り上げられているのも貴重で凄い事だと思う。
また、これまで自分が全く触れたことが無かった「能」「人形浄るり」の話題などは、放送授業1回分じゃ足りないなーという印象。たいへん興味深かった。

あと「築地小劇場」の写真になんだか見覚えがあるな…と思って調べたら、都内へ私用で行った際に、小劇場跡地の記念碑がある場所を偶然に通って説明看板を読んだことがあるわ!と思い出した。入学前に偶然見かけたものが、入学後に履修した授業で登場してびっくりした。

履修直前の時期に、点けっぱなしにしていたテレビでオペラ「松風」(2018年2月東京公演の録画)の放送が始まり、一般的に想像するオペラとは全く違う凄みや不気味さが漂う作品だったのでそのまま最後まで視聴してしまったのだが、本科目を履修してみたら「松風」というのは
・古い伝承が
・能の定番の演目となり
・人形浄るりや歌舞伎としても上演されていたのだが
・このたび、日本人が作曲したドイツ語のオペラになり
・現代風で前衛的な演出で
・外国人キャストにより上演された  …という、
この科目で登場した要素が詰まった公演だったので、偶然とは言え視聴して良かったと感じている。

とても楽しみにしていた科目だし、実際に楽しかったのに、成績がBだったことが本当にくやしい。試験前のあと一歩の学習が足りなかったことを後悔している。

この科目では青山先生が講義を担当される回は限られているけれど、オペラ座の屋根に登ってオペラ座の怪人についての講義をする(しようと思いついて実際にやる)青山先生ホントに好きです。これからもお元気で放送大学の芸術・美学系の授業を永くご担当されることを願ってやみません。