どうしようもないことと どうしてもできないことは かなりちがう

放送大学に3年次編入→2019年に卒業。その後は再入学しマイペースに勉強しています

青山昌文先生の公開講演会に参加した

新潟学習センターにて開催された公開講演会に参加してきました。
講演テーマは「芸術は世界の力である」。
講師は放送大学教授の青山昌文先生です。

2017年度の1学期に青山先生の放送授業「西洋芸術の理論と歴史」を受講し、 内容の充実や面白さはもちろん、青山先生の熱心なお話がとても印象的だったので、絶対に伺いたい!と思って申し込みました。

内容は青山先生の叢書「芸術は世界の力である」に沿ったもので、放送授業で扱っている話題もあった(ラファエロの絵画「アテネの学堂」と、プラトンアリストテレスの思想との関連について等)ので、私にとっては履修済の科目を思い起こし、あらためて考え補完することにつながりました。じっくり聞いてものすごく詳細にメモを取ったんですが、先生がお話の最初の方で「大学での話というのは、まだ誰にも語っていないことを話す可能性がある。まだ本になっていないものを持ち出して明らかにしてはいけない。録音がNGなのもそういった理由です」といった内容のことを仰っていたので、ここに内容を書くのは控えておきます。

私は放送授業の視聴で先生を何度も見ているけれど、それは「テレビの中の人」みたいなイメージだったし、放送授業を担当している先生に実際にお会いできるのは珍しい機会だったので、参加して良かったです。先生のお話は、放送授業より更に力強さと勢いがありましたよ!
次学期(2018年度1学期)は、青山先生が担当されている「舞台芸術の魅力」を履修する予定です。とても楽しみです。

ちなみにこの日、青山先生は放送大学のネクタイを着用されていたのですが、これはプロがいくつかデザイン案を出したなかから青山先生が最終的に図柄を決定されたのだそうです。

【感想】公衆衛生('15)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度2学期時点でのことです。


公衆衛生('15)
生活と福祉コース 専門科目 択一式 持ち込み可

試験が毎回土日開催なので受講しやすいし、これから自分や周囲の人々が日々暮らして年齢を重ねていくなかで参考になる事柄もありそうなので、いつか履修しようと思っていた科目。あと毎回平均点が高いことも魅力的だったので…。

実際、すごく役に立つことがいっぱい載ってると思う。健康に過ごすために社会全体でどんな取り組みや法律があるか、病院と診療所は何が違うの、インフルエンザ等が流行することへの知識、普段あたりまえに利用している保険証のしくみ、がん細胞がどんなふうに増殖していくのか、保健所って何をしているの…等々、改めて知ってなるほどなぁと感じる。勤務している職場で定期的に「安全衛生委員会」が開催されているのは法律で定められていてこういった内容を取り扱っているのか!とわかったのが個人的には良かったです。

…が、放送授業はほぼ印刷教材読み上げスタイルなため面白味に欠けるし、「平均点が高くて持込可」な科目だけあって、印刷教材を見ながらやれば提出・自習型問題や過去問が割とラクに解けてしまい、あまり内容が理解できていなくても試験を乗り切れてしまう。そのため、学習した・身についたという実感がイマイチ無いまま終えてしまった科目です。

【感想】地域と都市の防災('16)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度2学期時点でのことです。

 

 地域と都市の防災('16)
社会と産業コース 専門科目 択一式 持ち込み不可

私の仕事にすこし関わりのある分野なので以前から気になっていたが、専攻としてはまったく畑違い(社会と産業)なので保留にしていた科目。実際にやってみたらとても面白かったし、身近に思える事柄が沢山あったので、履修して良かった。

「わたしたちが暮らす街がもしも災害に遭ったならということを想像し、事前に何ができるかを考える」ことが科目全体の大きなテーマだと思う。私は人間と文化コース専攻で、普段は文学や哲学といった「過去の人々が遺した」事柄について学んでいることが多いため、この科目のように「現在や未来について考える」というのはたいへん新鮮だった。
過去に起きた大規模な災害の話題もたくさん出てくる。最近の日本にとって地震津波は大きな出来事だったので、そういった内容の回は更にのめり込んで学ぶことができた。

テーマごとに3人の先生がそれぞれ専門の分野について言及し、聞き手の岩田まこ都さんが一緒に授業を受けている設定の放送授業で、津波の被害に遭った街や、都内の様々な町並みや防災の取り組みを紹介するロケもあったりして、楽しく飽きさせない構成だったと思う。私が視聴しているときに同じ部屋にいた主人が「側で聴いてるだけでもわかりやすいね!」と言っていた。
オープニング映像や番組全体の演出が凝ってる。目黒巻がダウンロードできますとか、スタジオの大きなスクリーンは近代的な雰囲気だが、お話ししている先生方の後方でスクリーンの映像が次々と変わるのがすこし見づらい。

なお、試験は持込禁止で正答が非公表。提出型/自習型問題や過去問からはほぼ出題されない(選択肢の一部に似た項目がある程度)ため、意外なところから出題されると全く心当たりが無くてどうしようもなくなる。印刷教材と放送授業は分かりやすくて楽しく受講できるが、試験がシビアな科目だと思う。

履修している期間中に都内の学習センターへ行く機会があり、授業で取り上げられていた浅草付近から東京スカイツリーを望む風景や、隅田川に掛かる橋を直接見られたので嬉しかった。

【感想】仏教と儒教('13)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度2学期時点でのことです。

 

仏教と儒教('13)
人間と文化コース 専門科目 択一式 持ち込み可

約20年前の大学在籍時に熱心に学んでいた分野が東洋思想で、特に大乗仏教に重点を置いていたので、この科目を履修するのを楽しみにしていた…んだけど、実際に学習を始めたら、聞いたことある語句が出て来たぞって思う程度で、内容を大して覚えてなかったことがびっくり&ショック。

仏教、儒教がそれぞれ日本に伝来してからの変容や広がりについて学ぶのだけど、前半(1~6回)の仏教ではなんの前触れもなく専門用語がばんばん出てくるし、引用している部分が長いし、放送授業は教材の内容をほぼ読み上げている。個人的には「むかし勉強してたはずなのにイマイチわかんない!」という気持ちが邪魔をするのもあり、進めるのに時間が掛かった。
中盤の、仏教が日本の文化に及ぼした影響についての回は息抜きのように面白かった。
後半(9~15回)が儒教。用語についての説明があったり、前回の講義で出て来た事柄が次の回の説明で再び登場することも多かったので、突然本題に入る前半の仏教に比べたら親しみやすい(あくまでも「比べたら」)。私自身が儒教について勉強するのはこれがほぼ初めてなので素直に聴けたが、こちらも印刷教材読み上げスタイル。

受講前は楽しみにしていた科目だったのだが、実際に取り組んでみたら印刷教材も放送授業もどうにも馴染みにくく、全15回を終えても突破口を見つけられず。数日前に感想を書いた「日本語概説」と似た状況になってしまい、こういう印象に残りにくい科目を2つ抱えてどうしよう…と心配だったので、過去問をしっかり解き、「どの回に何が書いてあるか/登場する人物がそれぞれどの宗派でどういう思想だったか」をまとめて試験に備えた。
だけど試験はほとんどが過去問からの出題だったのでとても易しかった。過去問から出るのはは予想していた(1学期もそうだったので)けれど、予想以上に沢山だった。ちなみに、私が持っている過去問からは8問出たし、長く在籍している方が更に昔の過去問を持っていたらそこからも出てるかもしれない。この科目は今年度で閉講されるので、不合格者を少しでも減らそうという配慮でもあるのでしょうか。

【感想】初歩のイタリア語('17)

 ※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度2学期時点でのことです。

 

初歩のイタリア語('17)
基盤科目(外国語) 択一式 持ち込み不可

イタリア語かスペイン語を履修したいと思っていて、迷ったのだけど
・イタリア語のほうが印刷教材が薄い
・放送授業がTVなのでわかりやすそう(スペイン語はラジオ)
・付属CDが無いぶんラクそう(スペイン語はある)
スペイン語はおそらく来学期も試験が土日なので、来学期でもいいや
という理由で、今学期はイタリア語をやってみよう!ということに。

中学校3年間で学んだ英語に相当する量、難易度のイタリア語を、放送大学では半年(実際は10~1月なので4ヶ月間)で終えるようなもんだと思う。期間に対してボリュームが半端無い。そんなわけで、普段必要な学習はもちろん、ちょっとした空き時間もほとんどイタリア語に捧げた今学期となった(言い過ぎか/笑)。放送授業を視聴してノート作成のほか、入浴時に印刷教材で復習し、放送授業15回分を録音してiPodに入れておいて運転中に聴くようにした。9月の半ばから試験直前までひたすらリピートしていたので通算20回以上は聴いたのでは。

文法がどんどん増え、様々な「1人称・2人称・3人称・単数・複数・男性・女性・現在・過去・未来」の活用を根気よく覚えなくてはいけないし、単語を覚えないとそもそも何について書いてあるのかがわからないので、自分で穴埋め問題のプリントや単語表を作成して暗記中心の勉強法になっていった。繰り返さないと忘れてしまうから、他の科目を勉強している期間も結局イタリア語の復習をしていたので、私にとっては他の放送授業の科目に比べて何倍も頑張る必要があった。

正直ここまでやらなくても試験はそこそこ回答できるかもしれないが、私自身が「やるからには全体を通じてそれなりに理解したい」というこだわりがあったので、上記のような勉強方法でやっていた。
ちなみに、課題や過去問は「正しい活用形を選択肢から選ぶ/日本語の問題文を見て、選択肢から正しいイタリア語の文章を選ぶ」が多いので、活用形と単語を暗記する勉強法は「試験対策」としては合っていると思う。

半年間勉強してみて、イタリア語での挨拶や自己紹介、簡単な表現を言える程度にはなったと思う。難しい表現や長文は印刷教材やノートを見ながらゆっくり考えればなんとかなるとは思うが、突然イタリア語で話しかけられた時や、イタリア語の歌や映画を理解するのは無理。なおコレを書いている現在、平昌オリンピックが開催されているのだが、カーリングのイタリアチームが数字を叫んでいるのが分かったり、フィギュアスケート選手の演技を見たとき、こういうときに使うんだ!と気づいて「Che bellissima!」と言えたのでよかったです(笑)。

個人的なことだが、若い頃に一番学びたかったのは音楽だったので、もしもそういう進路だったら必ずイタリア語に関わっていた筈。過去に勉強し損ねたものを取り返すぞという妙なやる気だけはあったので、詰め込み学習になってしまったし身についたとは全く言い難い状態ではあるけれど、なんとか終えることができたのではないかと思っている。
ちょっと面白かったのが、必死にイタリア語を勉強している最中に英語を聞くと「うわっ英語が懐かしい」という気持ちになること(笑)。短期間で促成栽培のように詰め込んでいるイタリア語に比べたら、やはり人生で一番長く接している外国語なので耳障りが良いのだなぁと感じた。

会話の場面に登場する日本人男性の名前が「タロウ」(ベタだ!/笑)。そしてタロウの服装や髪型がラフすぎるので、もうちょっと小綺麗にすればいいのに!と毎回思っていた(海外に滞在する日本人ってああいう服装が多いのかも知れないけど、放送授業はドラマ仕立てだし、タロウ役の方はお洒落したらきっとイケメンな気がするので、衣装を工夫したらいいのになぁ…と/笑)。
村松真理子先生の「では次の表現を見てみましょう」が容赦ない。大抵「えっもう次に移るの、今の文法の例文をもうちょっと紹介して欲しい…」って思ってた。あと「心配かも知れませんがだんだん慣れるから大丈夫です(にっこり)」って何度も言われるけどハードルは高いです。
村松先生は第1回の放送ではあきらかに緊張されているのだが、回が進むごとに慣れていき「絶対最上級で褒められると嬉しいですね♪」とかおっしゃるし、スカーフやメガネがお洒落。納豆が食べられなかったり、たぶん台本に書いてあるとはいえ「私は20歳です」としれっと言っちゃうルドヴィーコ先生もかわいい。

などなど、時間は掛かったし苦労したけど楽しみつつ今学期いちばん頑張った科目だったので@を取りたかったんだけど、Aだったので悔しいです。今後、日常生活でイタリア語を使うことはまず無いだろうからどんどん忘れていくんだろうなぁ…もったいないなぁ…。

【感想】日本語概説('15)

※私の個人的な感想です。
※私が履修した2017年度2学期時点でのことです。


日本語概説('15)
人間と文化コース 専門科目 択一式 持ち込み不可

よく「日本語概説は地雷、鬼門」みたいに評されてるのを見かけるけれど、私自身は「国語」の分野が好きだと思っていたからやってみようじゃないのと履修したら、なぜ履修しちゃったんだろうと後悔するくらい手強かった。この科目を来学期に持ち越すのはイヤだから頑張る!という思いで取り組みました(笑)。

放送授業第1回でご挨拶される月本雅幸先生のやさしい笑顔とは裏腹に、本格的に講義がスタートする第2回からが怒濤のようにマニアック。専門的な用語が何の前触れもなくぽんぽん出てくるわ、印刷教材は [ ] や / や「 」が沢山あって読みづらいわ、画面に例文が1行映っているだけなのに説明が長くて何の説明だったか分からなくなるわで、しょっぱなからくじけそうだった(実際くじけてた)。やる気が持続できないので他の科目の学習も進まないし、いざ始めると今度は集中力が続かないので、この科目を勉強するのは毎回気が重かった。
1~8回がずっとこんな感じだったので、今後の学習はどうしたらいいんだ…試験も大丈夫なのか…と不安しかなかったが、第9回に入る辺りでようやくちょっぴり親しみやすい内容になってきて、第13回以降はロケに出かけたり方言再現ドラマがあったりして、学習スタート時と第15回終了時ではなんだか別の科目のようになって終わった感じ。

これだけ頭に入りにくいのに試験は持込不可なので参ったな…と思っていたが、試験前に過去問をしっかり解いてまとめノートを作って復習したことで、一つ一つの細かな内容や文法事項を自分なりに理解することに繋がった。私にとっては「印刷教材も放送授業も堅い感じがして馴染みにくく手応えが感じられなかったが、まとめ作業を行うことで広く浅くかもしれないけれどようやく理解が訪れた」みたいな状況で試験を迎えた。
…そしたら、試験がほぼ過去問から出題だったので拍子抜けした。色々苦しんで工夫したり頑張ったのにコレでいいの?!みたいな感じ。
なお、放送授業でテーマが変わるときに流れるジングルがやたらとアンニュイ(笑)。